OMORI 考察、解説などメモ置き場

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バックステージの3人の正体について

サニールートでオモリと戦う直前に現れる、

3人の友人はどこからきたのでしょう?

今回はその謎についての仮説を書いていきたいと思います。

彼らの話は本当?

この部分については本当であると考えて間違いないと思います。

以前の記事にも書きましたが、

サニーにはオーブリーと2人きりでブランコに乗った記憶があり、

現実のオーブリーもそれと同じ行動をとります。

オーブリーはサニーに対しずっと自分の心の内を語り掛けており、

バックステージのオーブリーの言っていたような、

聞き上手なサニーに話を聞いてもらう様子が確認できます。

またかつての2人の関係がとても親密で、

2人きりの行動をしていた根拠も見つかっています。(詳しくは上のリンク先)

サニーに対して自分の心の内を語り掛ける様子はヒロ、ケル、バジルにもあり、

彼ら3人のサニーに対する信頼を裏付けています。

彼らの説得からはサニーが3人に許される未来を思い浮かばせますが、

エンディング後の切り株の花束、笑顔が苦手だったサニーの、

シークレットエンディングの笑顔がある程度の裏付けになるかと思います。

一応は嘘であると確認できる部分はなさそうです。

 

夢の世界で共にしてきた紫の3人が正体?

紫の3人が正体であるのは考えにくいのではないでしょうか?

ヘッドスペースを共に旅してきた3人は、

この後のどちらのエンディングでも登場します。

バックステージの3人は主人公を「サニー」と呼びかけていますし、

急にカラフルになったり紫の子供の姿に戻ったりするものでしょうか?

それに紫の彼らは真実に触れたことがありません。

オクブカ井戸で彼らがバジルを忘れていくまでに長い時間を要していました。

急に真実の記憶を得たり失ったりするとは思えません。

それができるならブラックスペースで死んでいくバジルなど

生まれなかったはずです。

 

ストレンジャーのような存在?

ストレンジャーは真実を知っていました。

ストレンジャーについても以前に記事にしましたが、

彼は病院でサニーをバジルの元に導いたり、

オモリルートでバジルの死を予見する等サニーが知りえない情報を持っていました。

しかしストレンジャー自身が
自分がホワイトスペース誕生時に引き裂かれた存在であること、

そして真実と共に封印された存在であることを語っています。

現実の3人は真実に触れていませんし、

引き裂かれるという苦しみを経てあそこに現れる理由がありません。

突然精神世界に現れて、真実に基づいて語り始めるというのは脈絡が無さすぎます。

 

サニー自身が作った存在?

そもそも自罰的な彼にそれが可能なのか?

という疑問があります。

ブラックスペースには、

例えばFACELESS AREAの全景には「KILL ME」と書かれた文章が隠されています。

他にも憎しみをもって地獄から這い上がってきたような多くのヘルマリ達、

WALKING ROOMに現れるオモリから離れていく友人達、

MARI IS HOMEに現れる決してサニーと目を合わせない過去の姿のマリ。

これらから読み取れるサニーの心理とは、

自殺願望と、

自分は決して友人に許される存在ではないというものではないでしょうか?

ブラックスペースには自分を許してくれる白黒のマリなど存在していないのです。

裏庭の切り株の前でオーブリーが自分をこのように考えていた様に、

サニーもまた同じ心理であったと考えるのが自然だと感じます。

そしてまたブラックスペースで死んでいくバジルの記事を

参考にする必要がありますが、

夢見人と言えど都合の良く改変された友人を瞬間的に生み出せるわけではありません。

むしろ多くの失敗を重ねています。

それが可能なら、行方不明のバジルを探す必要などないわけですから。

サニーはまだ真実を思い出した直後であり、

都合よくそんな存在を生み出せた可能性は低いと考えます。

またオーブリーの記事にも書きましたが、

夢のオーブリーでさえ彼の願望から生まれた可能性は低いわけです。

彼は自分に都合のよく人間関係を改変する人ではないように思えます。

例え彼が願望を含めずに3人を生み出したのだとしても、

そんな事が可能ならもっと事態は簡単に解決していたでしょう。

ブラックスペースで死んでいくバジル達、

あるいはWEATHERVANE AREAに関わるヒロ、ケル、多くのオーブリー達。

彼らはヘッドスペースに存在していないはずの記憶を持って生まれていました。

バジルはオモリによって処理され、他の3人の失敗作達も

ブラックスペースに封じられていました。

これはヘッドスペースに存在する魂はサニーの腹話術によって

行動しているわけではなく、

自立した感情、記憶、精神を持って存在していることを示しています、

その他にもシンエン井戸で「???」から、

紫の友人達にも魂と苦痛があると教えられることからも、

ヘッドスペースの生物には意思が宿っていることが読み取れます。

彼らの話ををまとめると、

これは真実を彼らに話した場合のシミュレーションをしているわけではなく、

彼らはサニーを説得しているように見えます。

自分たちを信じてほしい、私たちはあなたを信じていると。

サニーが言ってほしい言葉を言ってるわけではなく、

彼らがサニーにしてほしい選択を願う場面にみえないでしょうか?

自分を説得する、自がを持った存在を願望で生み出すというのは

妙な気がします。

 

作中に1人、辻褄があう存在が・・?

たった1人だけ夢見人の親友であり味方をしてくれる、

そしてサニーと同じ超記憶能力を持った存在がいます。

そしてヘッドスペースにサニーの記憶由来の存在を生み出すことができ、

なによりも真実を知っている。

しかし親友であるはずの彼女は、

道理に合わないことに夢見人の意思に反した行動を起こし、追放されています。

 

失われた図書館の本棚を調べると、

図書館の管理人は既に亡くなっているというメッセージが表示されます。

そしてアビーはオモリルートで、サニーの記憶に由来するアイテムを

生み出していました。

3つの大いなる者の1人、最も賢明なる者アビー。

彼女こそがサニーの記憶が秘められていた、

失われた図書館の管理者であったと考えられます。

スウィートハートが城の主に願いをかなえさせ、

スウィートハート城が生まれた時には既に図書館は地中に沈んでいました。

それも管理者不在が原因であったとあることから、

アビーが追放されたのはかなり前の出来事だと思われます。

バックステージに入った直後のセリフです。

「サニーくん・・・・・・やっと来たね。」

「ここまで来たんだから、あとはあなた次第だよ。」

このセリフから受ける印象はなんでしょう?

彼らはあの場所にずっと前から待っていて、

あの不思議な場所(贖罪の部屋?)が何か知っているように感じないでしょうか?

あの場所にずっと前からいて、そこが何かを理解していて、

真実を知っている、現実の記憶通りの友人達。

これらの条件を全て満たす存在を生み出せるのは、

追放される以前の賢明なる者しかいないのではないでしょうか。

 

物語の随所でオモリは邪悪な存在として語られます。
現実由来の記憶を語ったブラックペースのバジルを殺した事。

シンエン井戸にいる真実に触れる発言をする奇妙な生物たちは、

オモリルートでは殺されてブラックスペースに廃棄されている事。

またサニーから真実を隠す必要があるという性質上、

真実を知るもう一人はオモリのことと考えて間違いないでしょう。

 

しかしアビーがどのような性質だったかはわかっていません。

邪悪な存在としては語られていませんし、

彼女はアビスに幽閉され、そこで自分を夢見人の親友と言っていました。

親友であるはずの彼女による夢見人の意思に反する行動。

それはサニーに真実と向き合い、

友人達にその真実を告白するよう勧めることではないでしょうか?

サニーの意思に反しますが、親友としてすすめるべき未来です。

自罰的なサニーと違い、

アビーなら客観的な目で真実とサニーの人物像、人間関係

見ることができたはずです。

彼女は記憶を管理する立場なのですから。

そしてその目的のために生まれたのが、

真実を得たサニーの記憶通りの3人だったのではないでしょうか。

アビーはオモリの存在を知っていたはずです。

そしておそらく、

「まだ正体を現していないだけの、邪悪な存在」

であること知っていたのだと考えます。

オモリを倒すためにあの部屋にサニーが訪れたとき、

サニーの自殺願望を抑える目的があったのではないでしょうか。

アビーが作り出したならば、3人はどんな存在か?

本来の記憶の持ち主である夢見人に、

偽りの友人像は通用しないはずです。

そしてヘッドスペースにそぐわない記憶を排除されて生まれた紫の3人であっても、

現実の3人とそっくりな行動をとります。

4年間の時を経て変わった心情、成長した部分などもありますが、

彼らの会話からかつての関係が

夢の世界の友人達と変わらなかったように見受けられます。

本当に純粋なサニーの記憶から生み出された存在に真実を与えたのであれば、

真実の告白後の3人の姿もあのようなものである可能性は

あると思います。

・・さすがにそうすんなりいくのかは疑問ですが。