この記事は夢の世界でなぜ、オモリが白黒に見えるのかについての考察となっています。既に過去の記事でふれている部分については省略し、記事の後ろにリンクを貼っています。
ヘッドスペースについての情報おさらい
ド田舎おじさんはヘッドスペースの性質についての話をしていました。
おじさんによると、場所そのものは恐らく世界が生まれたときからあり、人によって見え方も大きさも変わるのだと言います。そして今回の世界は広くてかわいく、カラフルだと言っていました。それはサニーの想像力が豊かなためだとも。
そしてあしながおじさんは夢見人が世界に現れてからの歴史を話していました。
彼によると夢世界にははじめ、夢見人とホワイトスペースだけが存在していたといいます。その後に夢見人は複数の世界に繋がる扉を作り出し、客人としてその世界を旅をしました。しかし旅のさなか悪夢に落ちたことで夢見人は正気を蝕まれていきます。悪夢が囁く声を消すことができなかった夢見人は、大きな世界を作ることで暗闇を覆い隠す。しかしそれでも暗闇は弱くなどならず、夢見人が正気を保つためには自分を忘れる必要があった。その為に名前を変え自分を消すことを選んだ。そしてその時から夢見人は客人ではなく、夢世界の住人として生きてきた。
そういった内容の話だったかと思います。
ブラックスペースのピクニックシートの周りにいる黒い影たちも、夢見人はかつて破滅的な姿をしていたと語っており、オモリという姿になる前はもっと不安定な時期があったのかもしれません。
また他にもヘッドスペースに関わる部分として、枝サンゴは3つの大いなるものは夢世界の創世以前から存在していたと言っていました。最も賢明なるもの以外は、彼らもヘッドスペースの住人達と同じような色合いをしています。
オモリについて語られるもの
あしながおじさんの話に従えば、最初に世界を旅をしていたのはサニーです。1度ブラックスペースに落ち、その後に生まれたのがオモリということになります。ヘッドスペースの黒い穴の中に「オモリ」と書かれたビデオがありましたが、映像を見る限り名前と姿の由来はマリのピアノだったようです。
オモリについては夢世界のいくつかの場所で、夢見人の邪悪な姿であるという言及がされていました。それと向き合わなければ正体を掴むことができないのだとも。
ヘッドスペースに居た多くの住人達も、創世以前から存在していた大いなるものも、そして夢世界のお友達も。どれも記憶や想像力から生まれた存在だと言えます。
しかしオモリは夢の世界の住人といえるでしょうか。あしながおじさんによれば、元々夢見人は客人として旅する存在だったはずです。そして城の主が言っていたように、彼は夢見人の持つもう1つの魂のはずです。
他の世界からやってきた存在
過去の記事で触れたことですが、ストレンジャーもバジルのもう1つの魂だと考えています。サニーがホワイトスペースに引きこもり始めたとき、彼もまた真実を記憶する心とそれを拒絶する心とに分かれてしまったのではないでしょうか。ストレンジャーも真っ黒でよくわからない見た目をしていますが、グッドエンディングでは彼の本当の姿を見ることができます。
湖に現れたマリはどうだったでしょう。この時のマリが話していた、最後に姉弟が一緒に湖に行った時とはサニーが溺れた日のことになります。
湖の事故の日に一緒に居て、臨死体験でサニーが見た窓を通ることができるマリは一人しかいません。そして彼女もヘッドスペースの住人とは違う見え方をしていました。
つまり彼らは人によって見え方の変わる世界に由来しない存在、異なる世界で生まれた魂。それが違う見え方をする人々が存在する理由ではないでしょうか。
黒い姿になってしまうのはおそらく別な理由
ただしそれに当てはまらないであろう存在もいます。例えば最も賢明なるもの、あしながおじさん、そしてヒロです。賢明なるものは夢の世界で生まれた存在ですし、夢の世界のお友達の中でヒロだけは「びくびく」になると黒い姿になってしまいます。あしながおじさんも夢見人を「私たち」と共に生きてきたと表現していることから、夢の世界の住人であると考えられます。
他にも真っ黒だったストレンジャーが、バジルの病室の前では現実と同じ色合いをしていました。白黒だったマリもラストデュエットに現れるシーンではやはり現実のマリの姿をしていました。
これらに共通するのは真実に触れるもの、あるいはサニーの持つ恐怖に関わるのかもしれません。
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ストレンジャーがバジル由来であることについて
カーテンとは何か?ヘッドスペースとはなにか?について(※わかりにくく感じしたので内容を修正しています)