OMORI 考察、解説などメモ置き場

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人を鏡として見えるサニーという人物像①

サニーは主人公でありながらもその人物像はずいぶんと見えづらいと感じます。

ゲームを通して見える彼の姿は内気で運動が苦手な、

平凡な少年像だったという方もいるのではないでしょうか。

 

サニーを通して見えるサニー

失われた図書館にある一文です。

次々に飛び込んでいく兄弟と違い彼は飛び込みに失敗して溺れゆく瞬間、

自分をこのように評価していたようです。

家庭教師を行う際の彼の反応です。

あまり勉強も得意ではないのでしょうか?

この写真に写るのは指摘されるまでサニーだと思っていました。

姉弟の顔立ちは非常に似ていると思います。

彼のバイオリン姿はなかなかの男前です。

ヒロとケルの家族写真を見たときに

「この家族、顔面偏差値高すぎ・・」

という感想を漏らしますが、この姉弟に言われる筋合いはないと思いました・・。

ただこのバイオリンは失われた図書館の記録によると、

かつては趣味として嗜んでいたものの一度やめてしまっていたようです。

そのしばらく後に皆からのプレゼントとしてまたバイオリンを受け取ったようです。

夢の世界でバジルが主人公を白いチューリップで例えてくれます。

白いチューリップは平凡で丸くてオモリみたい、と。

あまりいい印象を受ける言葉ではないです、やはり平凡なのでしょうか?

サニールートでストレンジャーが

白いチューリップの本当の意味を教えてくれます。

見てて心地が良い、シンプルで謙虚で、無垢な花。

夢の世界のバジルが教えてくれる例えよりもかなり良い花になっています。

どうも彼は自分を低く評価する傾向があるように感じます。

しかし彼の目線で見たところでサニーという人物像が

うまく浮かび上がってこないのは当然かもしれません。

 

対比できる出来事

ここは違う視点を通して彼を見てみましょう。

人を鏡として自分を知る、本来の意味とは違うかもしれませんが。

他者の目線による評価や対比などを通してようやく見えるものがあるはずです。

ただ・・・こういった手法での考察をなんとなく予想されていた気がします。

ゲーム内にはサニーの心情を知るのに利用できる、

対比として使えるイベントが夢と現実であちこちにあると思うのです。

例えばかつては趣味としていたバイオリンについてです。
失われた図書館の記録には楽しい趣味のはずが友達と過ごす時間が減り、

苦痛になっていった様子が書かれています。

この出来事の対比として使えるのが青髪少女クリスの言葉だと思います。

画像はケルに彼女の泳ぎと、練習熱心である様を褒められた時の返答です。

彼女にとっては泳ぎは遊びの1つに過ぎず、もっと好きなものが他にもあるわけです。

彼女の言葉をサニーに当てはめれば、なぜ彼がバイオリンをやめたのか、

図書館の記述だけで考えるよりわかりやすいのではないでしょうか。

これはブラックスペース2見ることができる過去の光景のようです。

サニーにとっての趣味を大きく超えているようにみえます。

個人的な体験を例として持ち出すのはあまり好きではないですが、

感染症が世にはびこる前は週二日ほど30分のランニングをしていました。

ある日それを知った上司にハーフマラソンに誘われたことがあります。

まずはタイム2時間を切るのを目標に始めて、一緒に出場しないか?と。

その方は走るのがとても好きな方でしたが、

私にとってはトレーニングの1種目にしか過ぎません。

それと似たようなものではないかと思います。

他に大きなところではオーブリーがバジルを突き落とした件です。

事故直後の彼女の様子、罪悪感を吐露する際の心情が

サニーを考えるうえで対比として非常に役立つと思います。

10代の少年少女が大きな過ちを犯した時、彼らがどんな心情をたどるのか、と。

 

鏡そのものをを見てもただ姿が写っているだけですね。

ぼんやりとした何とも言えない表情をしています。

まさしく目を開けたまま寝ているようです。

 

勉強ができるかはよくわからなかった!

頭脳についても他者の目線を使ってみましょう。

家庭教師を終えたあとにこのような言葉をかけられます。

ゲェ・・・と反応していたにしてはずいぶん評価されています。

他者を通して彼をみると違う見え方になるわけです。

実績についても英語の達人、数学の達人とすごいものが用意されています。

ただこの辺はゲーム的なところ含まれていて、悩みどころ。

記憶力に関してはオーブリーとヒロから非常に高い評価を得ています。

4年ぶりに見るはずのアルバムの内容をサニーであれば覚えているはず、と。

ヘッドスペースで主人公に知識への貪欲さを感じる、と言っていたキノコがいました。

バジルのアルバムでも彼が熱心に本を読む姿がよく写っています。

ある種の記憶能力は辞典の内容をまるごと覚えることが可能だそうですが、

サニーの記憶がどのようなものなのかはわかりません。

ド田舎おじさんが主人公の想像力の豊かさをほめていましたが、

どちらにせよ彼の頭脳について絶対値のようなものはわからないですね。

ある種の記憶能力を持っていること、本を読む趣味があること、

想像力が豊かである、とは言えそうです。

1つ気になるのは、彼がヘッドスペースに生み出した友人の魂は

現実の彼らにそっくりな言動や行動をとります。

相手を理解する、共感性が高いというレベルではなく、

心の動き、行動を完全に把握して再現された虚像です。

それを生み出した能力が彼の頭脳に由来するのだとしたら、

すさまじい頭脳の持ち主かもしれません。

 

夢と現実の対比?

サニールートのブラックスペース2、

しかもブランコを12秒ほど見つめたときにほんの一瞬だけ見える光景です。

何故かとてつもなく入念に隠された要素になっています。

抽象的な表現に見えるので解釈に幅はあると思いますが、

彼は最終日前には既にオーブリーとの和解を望んでいるように感じます。

城の主が叶えた主人公の願望と同じように、

サニーの願望とはこのように静かなものが多いのでしょうか。

和解の際にヒロがこのように発言しています。

たしかにケンカをしているのはオーブリーとケルだけで、

ヒロとサニーは最初から和解に前向きだったということでしょうか。

アルバムに写真を戻す作業を通して2人が仲直りする様子は

ゲームの序盤、夢の世界でも同じ事が起きています。

これも対比のためのイベントだったのでしょうか?

長くなったので6人を通してサニーを見るのは次の記事にします。

omorimemo.hatenablog.com