OMORI 考察、解説などメモ置き場

このページでは、OMOCAT, LLCが権利を所有する画像を利用しております。(C) OMOCAT, LLC

聞き上手について ちょっとした雑記

この記事は聞き上手について、個人的に考えたことを書いた単なる雑記です。ゲーム内で根拠を見つけているわけではありません。いくつかの仮説を通して「聞き上手」をイメージがしやすくなるかも?しれないと思い記事にしました。

それっぽいことを並べてあるだけなので、与太話としてお楽しみください。

また記事の中盤からミヒャエル・エンデの『モモ』に触れているため、今後読む予定がある方はネタバレにご注意ください。

聞き上手のサニー

omori ブランコ

 最終日にサニーが二人きりで、ブランコに座るオーブリーの話を聞くという場面がありました。この光景はサニーが見える幻影やラストデュエットの回想、ブラックスペース等にもあり、昔からこういった光景があったのではないかと思います。オーブリーの話に対してサニーは最後まで何も言うことなく、ずっと静かに聞いていました。

同じような光景はヒロとケルに対してもありました。その時もやはりサニーは何も話さず、最後まで静かに相手の話を聞いていました。

そして不思議なことにサニーに話を聞かせた彼らは、皆前向きな気持ちになって話を終えています。バジルのアルバムにあったサニーの聞き上手とは、これらの不思議な光景を指すのではないでしょうか。

仮説1

ラバーダックのようなもの?

リンク先には課題を誰かに説明しようとする過程で、解決策を閃く現象を利用したデバッグ法とあります。

・・たしかに誰かに何かを説明していると、話をしてる間に頭の中が整理され、自分の理解が深まっていくという経験があります。

ただそれをアヒルの人形のような、無機物で代用して行うと書いてあります。そんなものでいいのなら、ヌイグルミやペットでもいいだろうと感じてしまいます。サニーに自分の秘密まで話してしまう理由としては弱すぎる気がします。

ただ話す事によって、話し手自身に影響があるというのは間違いなさそうです。

仮説2

看護師や介護士の方がもつ傾聴の技術?

私が持つ技術や知識ではないので詳しくは書けませんが、個人的にはかなり近い印象を受けました。相手の言葉を遮らず、時にはむやみに励ますこともしない。相手の気持ちを受け入れ、共感しながら深く聞き出す。そういった受動的な技術のようです。そして聞くことによって信頼関係を構築していくとありました。

作中でサニーは心強い聞き手だったと語られているので、この傾聴の技術はもしかしたら近いのかもしれません。

ただサニーの様子を見ても、静かに聞いていること以外の特徴がわかりません。相手に合わせて表情やリアクションなどを変えているのかもしれませんが、最後まで何も話さず聞いていれば良いといったものではないはず。

しかし聞くことによって信頼関係をつくる技術が存在する、というのは参考になりました。

仮説3『モモ』

時間泥棒、灰色の男たちに立ち向かう少女の童話を聞いたことはないでしょうか?

ミヒャエル・エンデ作『モモ』の主人公モモのことです。個人的には彼女こそが最も、サニーの聞き上手に近いのかもしれないと感じました。

 

~以下『モモ』のネタバレあり~

 

 

 

 

 

 

モモは作中で聞き上手な少女として描かれます。むしろ聞き上手としては世界で1番有名かもしれません。

モモにできることは相手の話を聞くことです。それだけです。相手から話を聞きだすための言葉を言ったり、質問したりすることもありません。ただじっと座って、注意深く聞いてるだけです。モモは相談事に適確なアドバイスをすることも、人を慰めることもそんなに得意ではありません。だからといって魔法が使えるわけでもありません。

しかしモモに話を聞いてもらうと、迷いのある人は意思がはっきりし、弱気な人は勇気を持ち、悩みのある人は希望を持ちます。バカな人(原文まま)でもモモに話をすると、思いもよらない良い考えが浮かんできます。モモは町の人々にお世話をされながら1人で暮らしていました。しかし町の人々にとってもモモはなくてはならない存在になっていました。いつも誰かが、モモのところにやってきては話し込んでいます。

そしてモモは聞くことによって相手の考えを、本当の心を理解することができました。またとても素晴らしい記憶力を持ち、1度聞いた話、特に大切な友人の話を心の中にしまっておくことができました。モモはその聞く力によって町の人々や友人達と、強い信頼関係を築きました。

モモは特別な機会を得て自分の心の中へ行き、そこで星々の声を聴きます。そしてそれによって長い眠りにつくことになりました。しかしモモが目覚めた時、大切な友人達は離れ離れになってしまっていました。モモは大切な友達を取り戻すため、灰色の男たちに立ち向かう決意をしていきます。

 

これは箇条書きマジックのようなところもあると思います。

しかし聞き上手な様子はなかなか参考になるのではないでしょうか。OMORIに限らず、聞き上手をイメージするときはモモを参考にするのも面白いかもしれません。