OMORI 考察、解説などメモ置き場

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夢世界の住人の謎① 彼らの由来と仮説

今回紹介する仮説はあの世界は人によって見え方が違うだけで存在自体は元々あり、

  • そこに住む想像上の生き物も元々存在していたのではないか?
  • 彼らはハルバル町の住人の心の中から生まれるのではないか?

というものになります。心の中の友人、想像上の生き物、得体のしれない物への恐怖、存在を信じるあらゆるものです。

この記事は決定的根拠に欠ける単なる仮説です。なので簡単に反証され、ひっくり返る可能性もあります。しかしこの考察は住人達への理解を深めると思います。

そしてなんと・・!

あしながおじさんやド田舎おじさんの由来を、ギリギリなんとか説明できなくもないという良さがあります。

また仮説の前提として、ヘッドスペースの住人は独自の魂や感情、記憶を持つという私の説があります。

ヘッドスペースの住民は元々存在していたという仮説

発想の始まりは病院での彼らの様子です。グッドエンディングで病院に現れ、別れを言うように去っていく夢の世界の3人。

彼らはその後どこへ行くのでしょうか?

あしながおじさんの言うヘッドスペースの解放が起こると、彼らの魂は消えてしまうのでしょうか?ひょっとしてあの世界の住人として残り続けるのではないか、と考えたわけです。

枝サンゴのセリフです。彼の言葉からヘッドスペースが創造される以前から、

3つの大いなるものは存在していたことがわかります。

「3つの大いなるもの」は元々サニーの心の中にいた、想像上の存在であると考えています。この物語ではサニー以外の心にも存在しているためです。

心の中の友達、想像の中の生き物、恐いモンスター。

ハンフリーは絵本が元になっているようなので、幼いころから心の中にいた可能性が高いです。最も賢明なる者(アビー)はタコがモチーフであると思われるため、サニーが過去に持っていたペットロックはオコタコスだったのかもしれません。

これを見るとハンフリーは恐怖の存在だったのでしょうか?

幼い頃に恐怖した架空のモンスターだったのかもしれません。

さすがは大いなるもの、オモリの名を認識し呼びかけてきます。

しかし世界の創造前に存在していたのは「大いなるもの」と呼ばれる者達だけなのでしょうか?

あしながおじさんはヘッドスペース創造以前のホワイトスペースの時代を認識していました。ド田舎おじさんもこの世界が人によって見え方が変わり、

「今回は」広くカラフルな世界になったという発言をしています。

つまりヘッドスペース誕生以前から彼は存在していたと解釈できるわけです。

サニーはホワイトスペースにいろんな世界に繋がる扉をつくり、

「客人」として旅をしたとあります。

客人、つまりそれを迎えたキャストもまた存在していたとも考えられるわけです。

ケルとオーブリーの架空の友達 そしてヒロとプルートの関係

架空の友達がいるのはサニーだけではありません。

例えばケルにも大親友、ペットロックのプルートがいます。

そしてオレンジジョーも親友と言っています。

そしてどちらも夢の世界に存在しています。

プルートは元々太陽系にしばられておらず、地球と共に自由に宇宙を飛び回っていた過去を語っていました。太陽系にしばられる・・?

つまりあの太陽系の部屋を創造したのがサニーであり、

プルート自身にはそれ以前の過去があったという解釈も可能なはずです。

世界を統合する以前には、それぞれの世界に繋がる扉がホワイトスペースにありました。ド田舎おじさんの言うように人によって見え方が違うだけで、世界そのものは元からあったのだとすれば・・。

そしてもう一つ、プルートを思わせる出来事が現実世界でありました。

兄弟の部屋でクモを見た時のヒロの表情です。

しかしその時のサニーとオーブリーの反応を見ると、2人はヒロがプルートのようになるのを知らなかったのではないかと感じました。

【OMORI】現実世界での小イベント - YouTube

(動画はkanpeenさんからお借りしました。知る人ぞ知るOMORI考察用資料の作成者さんです)

ケルが部屋を出た後オーブリーとサニーは互いに目を合わせています。そしてオーブリーは一度ヒロをつっつき、また2人は目を合わせました。このことから2人はヒロのこの表情を知らなかったと見るべきだと思います。

しかし一方でケルの言葉と反応から、この経験は一度目ではないようです。それは逆に言えば、ケルであればプルートに自分の持つ兄像を重ね合わせることができるわけです。それならばブラックスぺースにいる痩せ細って泣いているプルートすらも、ケルから仮説が立てられるかもしれません。

一方地球については、心の中に地球がいそうな人と言えばこの人でしょうか。

現実世界でオーブリーが話しかけていたビスナさんもまた、ヘッドスペースの世界に存在しています。夢の世界のオーブリーはぬいぐるみをとても大切にしていますが、

現実世界でもツリーハウスで同じような様子を垣間見ることができます。

ハルバル町の人々の心の中にいる存在?

現実世界でカラフルな少女が話しかけていた「トマトガール」

トマトガールもしっかりあの世界に存在しています。ペットロック由来の存在はヘッドスペースのあちこちで確認できます。もちろんサニーはペットロックの攻略本を持っていたので、サニー自身から生まれていたとしても不自然ではありません。

ヒロビロ広場でいつもブランコに乗っている「ミカル」です。

金髪で緑色の服をきた妙な体をもちます(イラストを見る限りサル)。

個人的にはもともと彼の存在には大きな疑問を抱いていました。

ミカルの元になったと思われる現実世界のミカエルです。金髪のウィッグを装着し緑色の服を着ています。そしてお金で雇った女の子をはべらせています。

これが彼の理想の自分の姿なのでしょうか。

夢の世界のミカルも少し似た夢を見ています。しかし何よりもその姿が気になります。

4年前から金髪のウィッグをつけた中二病を患う人物だったのでしょうか。

サニーが彼を知っているとすれば黒髪の彼ではないでしょうか?

現在の彼に似すぎていますし、4年も中二病だったとすると逆にすごいヤツです。

いつも広場で見かけるミカルですが、マリによると意外と自由に動き回っていたようです。主人公が高所恐怖症を克服する前から廃品投棄場に出入りしていた様子。

どうもこの世界は夢見人がいない間の方が大きく動いている気がします。

これはミカエルの部屋の画像です。

現実世界で唯一、彼の部屋だけにしかないゾンビのポスターが貼ってあります。

彼がゾンビ好きなら、彼がイメージするゾンビがいるかもしれません。

そしてヘッドスペースにもしっかりゾンビが存在します。

ジンジャーデッドマン、そしてリビングデッドならぬリビングブレッド。

こちらはゾンビではありませんが、図鑑にあるセリフは古いゾンビ映画に由来するものです。たしか地獄が人の魂で満員になったとき死者の魂があふれだし、地上をあるきはじめるという内容でした。このゴーストは死者の体に取り付きゾンビとして蘇らせる前の、地上にあふれ出た魂をモチーフにしているものと思われます。

(リメイク版であるドーンオブザデッドは設定が違うらしいです)

ゾンビとパンを掛け合わせた独特な発想、

これができるのはゾンビ好きなパン屋の息子、ミカエルだけだと思います。

サニーが想像するには、ミカエルのゾンビ好きを把握していないと無理があるのではないでしょうか。

そしてオアシスの地下にいるパンを生み出し続ける双子の存在。

オレンジオアシスの住人によると死者を蘇らせる力をもつ伝説があるようです。

リビングブレッドはパンクチュアリでも出現しており、パンのゾンビたちもまた双子由来であると思われます。

双子は現実の彼らと同じく信仰心を持っている様子が伺えます。

しかし4年前の彼らの家の前には宗教的な像が置かれていません。

サニーは2人の信心深さを知っていたのでしょうか?

彼らが口にする愚痴もまた、現実の双子によく似ています。

そして彼らはまだ学生であることが会話からわかります。夏休みになったことで大学生であるヒロやベベの姉が二日目の昼にハルバル町にやってきます。

双子は初日から姿を見かけますし、毎週日曜日に教会に通っている旨の

話をしていました。

ハルバル町から通える大学がないとは限りませんが、恐らくは高校生ではないでしょうか。4年前となるとおそらくまだミドルスクールの学生あたりです。

その頃から愚痴を言うほど働いていたのでしょうか。

彼らはサニーを新しい友達と表現していました。

印象深い人物なので、サニーが一方的に彼らを知っていたのかもしれませんが。

信心深いことや愚痴っぽい事までサニーは知っていたのでしょうか?

彼らを投影した存在を生み出せるのもやはりミカエルだけかもしれないわけです。

双子もまた宇宙創造の時にとらわれた話をしています。

プルートと同じくヘッドスペース創造以前から存在していたと捉えることも、

あるいは先祖代々続くパン屋の家系から由来する設定とも、

どちらとも捉えられるのではないでしょうか。

双子のペットロックであるチップ親父も双子と同じくパンクチュアリに出現します。

チップ親父に関してはヒロのお気に入りのレシピ本のキャラクターでもありました。

レシピ本の中にはクッキーのレシピもあり、

ケルはこのレシピ本でヒロが作るクッキーがお気に入りだったようです。

マリにも回想でヒロのクッキーについて話していた場面がありました。

(どちらかというヒロがマリのクッキーを褒めるという場面でしたが)

パンクチュアリでクッキーを捧げるとチップ親父が出現するのは、双子とケルが由来であるからかもしれません。

しかしサニーは双子がペットロックを持っている事、それがチップ親父であることまで知っていたでしょうか?

ミカルと同じくヒロビロ広場でよく見かけるベルリーです。
いつもヴァンと一緒にいて、口癖が現実のキムとよく似ています。

トカゲのような、あるいは恐竜のような姿をしています。

ベルリーといつも一緒にいるヴァンの背中にはたくさんの

キャンディーが埋もれています。また現実と同じく頑丈な体の持ち主です。

いつも排水管を直してるぶっきらぼうな男が、実は自分がキムとヴァンスの父親であることを語っています。そして2人のためにいつもキャンディーを用意している、と。

ヴァンスのキャンディー好きは2人の万引きのシーンでも現れていました。

ヴァンがなぜ毛深く優しそうな怪獣のような姿なのかは、

現実の彼の毛深さと優しさでなんとなくイメージできます。

そして背中にキャンディーが埋もれているのは彼のキャンディー好きに由来しているものと思われます。

オーブリーであってもぶっきらぼうな男がキムとヴァンスの父親であることは知らなかった様子です。

キムとヴァンスの部屋はとても整理されており、マンガはありますが、ポスターなどはありません。

しかしぶっきらぼうな男の家にある彼らのものと思われる部屋はこの通り。マンガやポスター、おもちゃがたくさんあります。そしてキムのベッドの側には恐竜のポスターが貼られています。更にキムのベッドのそばの机には恐竜に関する本や漫画がたくさんあります。

ベルリーが恐竜のような姿をしているのは、彼女が恐竜好きであることに由来していると考えられます。オーブリーでさえこの部屋のことは知らなかったわけですから、サニーがキムがここまで恐竜好きであることを把握していたのか疑問が残ります。

同じくヒロビロ広場でパズルのそばにいるネブです。

リーゼントっぽいのでエンジェルにも見えますが、頭のもじゃもじゃ具合と服装がこちらに似ているような気がします。

これはエンジェルの部屋に入らないと見ることができないスケッチブックです。

エンジェルの姉の部屋にある書きかけの絵です。

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公式サイトのステッカーから、この絵はFISH BOYのものであるようです。

この絵に描かれるさかな少年も夢の世界に存在しています。

・・が、なぜかリサイカルト教団内部にも同じ絵があります。

証拠になるかと思いきや、なんだってそんなところに!?

いや・・リサイカルト本部の出現条件はビリーの失踪だけでした。

サニーが画家の部屋でこの絵を視認しなくても、

この絵がここに出現するのはどういうことでしょう?

しかし長くなるのでリサイカルト関連は別な記事にしましょう。

エンジェルの姉もまた、そっくりな存在がヘッドスペースにいます。

性別はどうも違うように見えますが、寝具が布団であること、

安物の絵の具、書きかけの絵がさかな少年、絵の描き方、

ペンキが散らかっているなど多くの共通点があります。

エンジェルの姉はサニーを「知らない人」と言っていました。

知らない人というのはちょうどいいところに訪ねてくるものなのかも疑問ですが。

サニーに彼女をモチーフにした人物を想像できるでしょうか?

それとも単なる偶然でしょうか?

あしながおじさんはどこからきた?

あしながおじさんの由来はこの仮説で説明できるでしょうか。

あしながおじさんはとてもクモが多い場所にいます。

あしながおじさんは英語版で「DADDY LONGLEGS」という名前であり、

ユウレイグモという足の長いクモを指す言葉でもあるそうです。

そして「あしのながいパパ」という意味にもなります。

心の中にクモをイメージしていそうな人物はいたでしょうか。

バジルはどうでしょうか?

ブラックスペースで殺された彼はクモを助手さんと呼んでいました。

クモに話しかけ、彼らを傷つけないように気遣う様子がみられます。

またバジルは幼い頃からずっと祖母と二人暮らしであり、両親とはずっと離れ離れになっていたようです。

心の中でクモのお父さんを想像していたりしないでしょうか。

もちろん父親クモだけではありません。母親クモもいます。

まあ・・死体となっている上に、あしながおじさん同様ブラックスペースにいますが。

枝サンゴ、ストレンジャー、あしながおじさんの3つの話をまとめると、ストレンジャーはサニーがホワイトスペースを創造したときに

バジルから引き裂かれた存在ということになります。これについては以前にもストレンジャーはバジルのもう一つの魂であると記事にしました。

もしもあしながおじさんがバジルの心から生み出された存在ならば、

ホワイトスペースの存在を知っていても不思議ではないはず。

そしてあしながおじさんは

バジルの視点で見えるサムシングと同じ真っ黒な見た目をしています。

なぜバジルにサムシングが見えるかについては、

OMOCAT氏のインタビューの中に、

「なにか」が存在をするのはバジルがそれを信じるから、と読みとりうる一文がありました。このことは仮説の根拠としても使えそうです。

他にもあしながおじさんに話かけたとき、

「カラカラカラカラ・・」という低い効果音が聞こえます。これと同じ効果音は城の主に話しかけたときにも聞こえます。

そしてもう一人、ブラックスペースの教会にストレンジャーが現れた時にも

同じ効果音が聞こえてきます。何の音かもわかりませんし、他にもいないとは限りませんが。ストレンジャーとあしながおじさんの共通点です。

ド田舎おじさんは?

あしながおじさんはこの世界の生まれ、そして去られるすべてのものと

おなじく世界そのものにも終わりがくると告げていました。

逆に言えば世界と同様、あの世界に生まれたものにも終わりがあるわけです。

この世界の住人が「去られる」ときとはどんなものでしょう。

人々の心が彼らを生み出すのなら、忘れ去られたときに彼らは消えゆくのではないでしょうか。

ド田舎おじさんはあと3日の夜であれば会うことができますが、残り2日以降のヘッドスペースでは砂になっています。彼はカウボーイのような見た目をしていますが、

OMORIの時代であっても西部劇のヒーローは古いものだと思います。

あてはまるのはあと2日の夜に容態が急変していた人物、彼はバジルのお婆さんの心の中にいたヒーローではないでしょうか。

シンエン井戸で真実をささやく妙な生物たちは、あと1日の世界では殺されてブラックスペースに捨てられていました。あしながおじさんも過去を語ったあとはブラックスペースにいます。

しかしド田舎おじさんは移動しておらず、その場で砂になっていました。

ブラックスペースが関連しないのであれば、オモリの介入なく死んだ存在である可能性があります。

彼は自分をおおよそ33000歳だという話をしていました。

しかしヘッドスペースの時間の流れには妙な部分が多くあります。

夢の世界のケルは1日しか経っていないはずだと言っていましたが、

スイートハートは結婚生活後「とっくに」縁を切ったと言っていました。

ヒロが今月の優秀社員であったり、「この前」バーの

合言葉を教えてもらったと話していたりし、オーブリーにも似た場面があります。

またリサイカルト本部から現実に戻った際、オーブリーから5分くらいぼーっとしていたと言われます。しかし5分で終わる出来事ではなかったはずです。

あの世界の時間の流れは一定ではないか、あるいは現実よりかなり早いのかもしれません。

それ以外の住人達

サニー以外から彼らの由来を考えることができれば、

いろんな住人達の説明の幅が増える可能性があります。

他にもサニー以外から由来を考えられる人物がいるのではないでしょうか?

そしてあの世界の人々がサニーの想像ではないとなれば、

ヘッドスペースの旅が今までよりも楽しくなるかもしれません。

もちろんストーリーを描いたのは誰なのか?

ブラックキーがあの世界に現れるのはどうしてなのか?

過去の旅路の名残をどう捉えるのか?

これだけでは解決できない謎は多くありますが。

 

この仮説に基づいてスイートハートとスペース船長の由来を求めると、

とても長くなるので記事をわけることにます。

スイートハートを生み出したのは誰なのか・・?

次の記事のリンクは↓にあります。

 

あんなさんよりイラストを頂いています。

 

omorimemo.hatenablog.com